日本のビール消費量 ― 日本人はどれくらいビールを飲んでいるのか【22-14】

日本人のビール消費量や飲酒量をイメージで表現した画像

日本では、ビールは長年親しまれてきたアルコール飲料の一つです。
居酒屋や家庭、イベントなど、さまざまな場面で飲まれてきました。

しかし近年、「ビールを飲む人が減っている」という話を耳にすることも増えてきました。

では実際に、日本ではどれくらいビールが飲まれているのでしょうか。

ここでは、日本のビール消費量を数字から整理してみたいと思います。


日本のビール系飲料の市場規模

まず、日本のビール市場を考えるときは、

ビールだけではなく、ビール系飲料全体

を見る必要があります。

日本では酒税制度の影響もあり、ビール以外にも次のような飲料が広く飲まれています。

・ビール
・発泡酒
・第三のビール(新ジャンル)

これらを合わせて

「ビール系飲料」

と呼ばれることが多いです。

現在(執筆2026年時点)、日本のビール系飲料の年間販売量は

おおよそ400万キロリットル前後

と言われています。

これはビールだけでなく、発泡酒や第三のビールを含めた市場規模です。

1990年代には、ビール市場は700万キロリットル以上あったと言われており、そこから見ると、日本のビール市場は長期的に縮小していると言えます。


日本人1人あたりのビール消費量

ビール消費量を理解するために、
もう一つ分かりやすい指標があります。

それが

1人あたりのビール消費量

です。

ビール系飲料の販売量を日本の人口で割ると、

日本人1人あたりのビール系飲料消費量は

年間約30〜35リットル程度

と言われています。

もちろんこれは平均値なので、

・ほとんど飲まない人
・毎日飲む人

など、個人差は大きいと思います。

それでも、日本人の生活の中で、ビールが一定の存在感を持っていることは数字からも分かります。


1人あたりの本数イメージ

年間30〜35リットルと言われても、少しイメージしにくいかもしれません。

ビールは一般的な缶ビール(350ml)で計算すると、

年間約90〜100本程度

という計算になります。

もちろんこれは平均値なので、

・ほとんど飲まない人
・毎日飲む人

など個人差は大きいと思います。

それでも数字を缶ビールの本数に置き換えてみると、日本人とビールの距離感が少し見えてくるような気がします。


世界と比べた日本のビール消費量

ビールの消費量は国によって大きく異なります。

例えば、ビール文化が強い国では、1人あたりのビール消費量はかなり多くなります。

例を挙げると、

・チェコ:約140〜150リットル
・ドイツ:約90〜100リットル
・アメリカ:約70〜80リットル

といった水準です。

これと比べると、日本の

30〜35リットル

という数字は、それほど多いとは言えません。

つまり、日本は

ビール大国というよりは、アルコール文化が多様な国

とも言えるのかもしれません。

日本では

・日本酒
・焼酎
・ハイボール
・チューハイ

など、さまざまなお酒が飲まれているため、ビールの割合が分散しているとも考えられます。


日本のビール消費量のピーク

日本のビール消費量が最も多かった時期は、

1990年代前半

と言われています。

この時期は

・人口の多い世代が社会に出ていた
・会社の飲み会文化が強かった
・ビールがアルコールの中心だった

など、さまざまな要因が重なっていました。

その結果、日本のビール市場は

年間700万キロリットル以上

という非常に大きな市場になっていました。


なぜビール消費量は減ったのか

その後、日本のビール消費量は徐々に減少していきます。

主な理由としては、次のようなものが考えられています。

人口減少

日本では人口減少が進んでおり、アルコールを飲む人の総数も減ってきています。


若い世代のアルコール離れ

若い世代では

・お酒を飲まない
・飲む量を減らす

という傾向も見られるようになりました。


お酒の多様化

現在では、アルコール飲料の種類も非常に増えています。

例えば

・ハイボール
・チューハイ
・ワイン
・クラフトジン

など、選択肢が広がりました。

その結果、ビールだけが選ばれる時代ではなくなったとも言えます。


ビール市場の変化

ビール市場の変化は、

量の変化

だけではありません。

飲み方の変化

も起きています。

かつては

「とりあえずビール」

という言葉があるほど、ビールは最初に注文される定番の飲み物でした。

しかし現在では

・最初からハイボール
・最初からサワー

という人も増えてきています。

また、ビールを飲む場合でも、

・大手ビール
・クラフトビール

など、楽しみ方が多様化してきました。


ビール好きとして思うこと

僕がビールを飲み始めた頃は、ビールは今よりもずっと身近な存在だったように思います。
飲み会でも、「とりあえずビール」「人数分ビール持ってきて」「ビールで乾杯」という言葉が、当たり前のように使われていました。

ビールを飲む人も多く、飲み会ではビールがどんどん注文されていた記憶があります。

かくいう僕も、「安くビールを飲む」「飲み放題ではビールをたくさん飲む」タイプの人間だったので、人のことは言えません(笑)

当時は、どこかで
「たくさん飲める=かっこいい」
と思っていたような気もします。

しかし最近では、飲み会の最初の一杯が

「ハイボール」
「サワー」
「ソフトドリンク」

という話を聞くことも増えてきました。

僕自身はというと、クラフトビールを飲み始めてから、ビールを飲む目的が
「酔うこと」から「味わうこと」
へと変化してきたように思います。

それに合わせて、飲む量、つまり酒量は減りました。

ただ、ビール代はというと……
むしろ増えている気がします(笑)

こうして振り返ってみると、僕がビールを飲み始めた頃は、
「ビールをたくさん飲む」という、どこか画一的な飲み方
だったように思います。

そこから、

・発泡酒
・第三のビール
・クラフトビール

といったビールの種類が増え、さらに

・缶チューハイ
・ハイボール

など、他のお酒の選択肢も広がってきました。

選択肢が増えたことで、
「多様な飲み方」へと移行してきているようにも感じます。

また、少し無理やりな見方かもしれませんが、
「終身雇用」「年功序列」といった社会のあり方が変化してきたことも、日本の飲み方の変化とどこか重なっているのかもしれません。

こうした変化を考えると、ビールの消費量という数字の裏側にも、人々の価値観や生活スタイルの変化が表れているのかもしれません。

そう考えると、ビール系飲料の消費量の変化を通して、
時代の変化を見てみるのも面白いのかもしれません。


まとめ

日本のビール系飲料の消費量は、現在

年間約400万キロリットル前後

と言われています。

1990年代には700万キロリットル以上あった市場と比べると、日本のビール市場は長期的に縮小してきました。

その背景には

・人口減少
・若い世代のアルコール離れ
・お酒の多様化

など、さまざまな要因があります。

一方で、クラフトビールの広がりなどにより、ビールの楽しみ方は多様化してきています。

ビールの消費量という数字の変化を見ることで、日本の社会やお酒文化の変化も見えてくるのかもしれません。

 ▶ 日本のビールの飲み方― 「とりあえずビール」から多様化する飲酒文化【22-15】

・ハイボール
・チューハイ
・クラフトビール
・ノンアルコール

など、さまざまな選択肢が広がっています。

ビールの消費量は減少していると言われることもありますが、その一方でビールの楽しみ方は広がっているとも言えるでしょう。

日本のビール文化は、
「量の時代」から「多様化の時代」へ
と変化しているのかもしれません。

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関連リンク

■ ビールの基本・味わい・歴史・市場までを体系的に整理した一覧記事
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■ 日本のビール市場を知る
 ▶ 日本のビール市場を理解する ― 酒税・分類・市場構造まで一気に整理【22】

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