日本のビール会社シェア ― 大手4社が中心となる日本のビール市場【22-13】

日本のビール会社シェアを大手メーカー中心に表現したイメージ

日本のビール市場は、世界的に見ても特徴的な市場構造を持っています。
その大きな特徴の一つが、大手メーカーの高いシェアです。

現在、日本のビール市場は主に次の4社によって構成されています。

・アサヒビール
・キリンビール
・サントリー
・サッポロビール

この4社は一般的に「大手4社」と呼ばれ、日本のビール市場の大部分を占めています。

コンビニやスーパーのビール売り場を見ると、

・スーパードライ
・一番搾り
・黒ラベル
・ザ・プレミアム・モルツ

といった商品が並んでいるのをよく見かけます。

これらはすべて、この大手4社が製造しているビールです。

つまり、日本のビール市場は

少数の大手メーカーが大きなシェアを持つ市場

と言えます。


日本のビール会社シェア

執筆時点(2026年3月)ビール系飲料(ビール・発泡酒・第三のビール)を含めた日本の市場では、大まかに次のようなシェア構造になっています。
※年度や調査機関によって多少の差がありますが、概ね次のような割合です。

会社市場シェア(目安)
アサヒビール約35〜40%
キリンビール約30%前後
サントリー約20%前後
サッポロビール約10%前後

このように、日本のビール市場は

アサヒとキリンが中心となり、サントリーとサッポロが続く構造

になっています。


日本のビール市場構造(まとめ)

日本のビール市場をシンプルに整理すると、次のような構造になります。

大手メーカー市場

・アサヒビール
・キリンビール
・サントリー
・サッポロビール

→ 日本市場の大部分を占める

地域ブランド

・オリオンビール

→ 沖縄を中心に強いブランド

小規模ブルワリー

・全国のクラフトブルワリー

→ 市場規模は小さいが、多様なビール文化を生む

このように、日本のビール市場は

「大手メーカー中心の市場」+「地域ブランド」+「クラフトブルワリー」

という三層構造になっていると言えます。


日本の主要ビール銘柄

ビール会社と商品はセットで理解すると、ビール市場の構造がより分かりやすくなります。

代表的なビール銘柄を整理すると、次のようになります。

メーカー代表的な銘柄
アサヒビールスーパードライ
キリンビール一番搾り、ラガービール
サントリーザ・プレミアム・モルツ
サッポロビール黒ラベル、エビス
オリオンビールオリオン・ザ・ドラフト

スーパーや居酒屋でよく見かけるビールの多くは、このメーカーと銘柄に当てはまるのではないでしょうか。

こうして見ると、日本のビール市場は

「メーカー」だけでなく「ブランド」でも強く認識されている市場

と言えるかもしれません。


なぜ大手メーカーのシェアが高いのか

では、なぜ日本では大手メーカーのシェアが高いのでしょうか。

理由はいくつかあります。

大規模生産

ビールは大量生産によってコストを下げることができます。

大手メーカーは巨大な工場を持ち、大量生産によって安定した品質のビールを供給しています。


強力な流通網

日本のビールメーカーは、非常に強い流通網を持っています。

コンビニ
スーパー
飲食店

など、日本全国どこでも同じ商品が手に入るのは、この流通網のおかげです。


ブランド力

ビールはブランドの影響が大きい商品でもあります。

例えば

・スーパードライ
・一番搾り

などは長年にわたり広告や販売を続けてきたことで、強いブランド力を持っています。

そのため消費者も安心して選ぶことができます。


オリオンビールの位置づけ

日本のビール市場を考えるとき、もう一つ特徴的な存在として
オリオンビールがあります。

オリオンビールは沖縄県を拠点とするビールメーカーで、1957年に創業しました。
沖縄では非常に高い知名度と人気を持つブランドであり、地域を代表するビールとして親しまれています。

現在の市場規模は大手4社と比べると小さいものの、地域ブランドとしての存在感は非常に大きいと言えます。

また近年は経営体制の変化もあり、

アサヒグループとの資本・業務提携

などを通じて、新しい展開も進んでいます。

このように、オリオンビールは

・全国市場では中規模メーカー
・沖縄では圧倒的ブランド

という、少し特殊な立ち位置のビール会社と言えるかもしれません。


クラフトビールの位置づけ

一方で、日本では1994年の酒税法改正以降、クラフトビールのブルワリーも増えてきました。

現在では、日本全国に数百のブルワリーが存在しています。

しかし市場全体で見ると、クラフトビールのシェアはまだそれほど大きくありません。

推計では

ビール市場全体の1%前後

と言われることが多いです。

ただし近年はクラフトビールの人気が高まり、

・ブルワリーの増加
・ビアバーの増加
・ビールイベントの増加

など、少しずつ市場が広がってきています。


海外との違い

日本のビール市場は、大手メーカーのシェアが非常に高い市場です。

例えばアメリカでは、クラフトビールの市場シェアは

10%以上

とも言われています。

つまり、日本のビール市場は

大手メーカー中心の市場

であり、これは海外と比較しても特徴的な構造です。

ただし近年はクラフトビール文化も広がり、日本のビール市場も少しずつ多様化してきています。


ビール好きとして思うこと

現在のビール市場では、アサヒビールとキリンビールのシェアが大きいですが、僕の記憶では、1980年代のアサヒビールのシェアはそこまで高くなかったように思います。
そこに「スーパードライ」が登場し、シェアを大きく拡大したという印象があります。

調べてみると、

・1980年代前半のビールシェアは
 「キリン」→「サッポロ」→「アサヒ」→「サントリー」の順で、アサヒビールのシェアは10%前後だった
・1987年に「アサヒスーパードライ」が発売。「キレ」「辛口」を前面に押し出す
・1989年には、アサヒのシェアは約25%まで拡大

このように、スーパードライの登場をきっかけに、アサヒビールの躍進が始まったようです。

また同じ頃、1988年にはサントリーも「ドライ」を打ち出したビールを発売し、マイク・タイソンがCMに出演していたのを思い出しました。
(確か、東京ドームでマイク・タイソンの試合もありましたよね。)

当時はテレビCM全盛の時代で、
「男は黙ってサッポロビール」など、印象に残るCMも多くありました。

ビールが好きな人も、そうでない人も、多少なりともCMの影響を受けていた面があるのではないかと思います。

また、ビール好きの方なら、自分の好きな銘柄が一つ以上あるという方も多いのではないでしょうか。
それが“こだわり”かどうかはさておき、僕にも好きな銘柄があります。

僕の好きな銘柄は「一番搾り」でした。

それも、友人と飲みに行った時の影響ももちろんありますが、CMの影響も少なからず受けているような気がします。
今となっては、どこまでが自分の好みで、どこまでがCMの影響なのか、正確には思い出せません。

大手4社の流通網、ブランド力、大規模生産による品質と価格。
コンビニやスーパーの陳列棚を見れば、その影響力は一目瞭然です。

クラフトビール好きとしては、コンビニやスーパーに行くと、必ずビール売り場のラインナップを見てしまいます。
今日はどんなビールが並んでいるだろう」と、つい棚を一通り見てしまうのです。

そんな中で、近年はオリオンビールやクラフトビールが並び始めているのを見かけることもあります。
それはもしかすると、未来のビール市場の変化の予兆なのかもしれません。

あれから30年以上が経ち、ビール売り場の景色も少しずつ変わってきているように感じます。

ビールの陳列棚を、「ビール市場の縮図」として眺めてみる。
そんな楽しみ方もあるのではないでしょうか。

ビール売り場を少し注意して見てみると、日本のビール市場の変化が見えてくるのかもしれません。


まとめ

日本のビール市場は

・アサヒ
・キリン
・サントリー
・サッポロ

という大手4社が中心となる市場構造を持っています。

一方で、沖縄を拠点とするオリオンビールのような地域ブランドや、全国に広がるクラフトビールのブルワリーも存在しています。

大手メーカーによる安定した市場と、地域ブランドやクラフトビールによる多様な文化。

この二つが共存していることが、日本のビール市場の特徴と言えるかもしれません。

次の記事では、日本でどのくらいビールが飲まれているのか、
「日本のビール消費量」について整理していきます。

 ▶ 日本のビール消費量 ― 日本人はどれくらいビールを飲んでいるのか【22-14】

・ハイボール
・チューハイ
・クラフトビール
・ノンアルコール

など、さまざまな選択肢が広がっています。

ビールの消費量は減少していると言われることもありますが、その一方でビールの楽しみ方は広がっているとも言えるでしょう。

日本のビール文化は、
「量の時代」から「多様化の時代」へ
と変化しているのかもしれません。

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関連リンク

■ ビールの基本・味わい・歴史・市場までを体系的に整理した一覧記事
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■ 日本のビール市場を知る
 ▶ 日本のビール市場を理解する ― 酒税・分類・市場構造まで一気に整理【22】

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