ビールの香りを語るうえで欠かせないのが「ホップ」です。
前の記事(ビールのホップの香りとは?柑橘・トロピカル・松・草の違いを整理【06-2】)では、ホップの香りを「柑橘」「トロピカル」「松・樹脂」「草・ハーブ」に分けて整理しました。
ただ、実際にビールを飲んでいると、
「ホップはシトラを使用」「カスケードホップ」など、具体的なホップの名前を目にすることも多くなります。
そのときに、
「このホップはどんな香りなのか?」
「どんなビールに使われるのか?」
がわかると、ビールの理解は一段深まります。
この記事では、代表的なホップ品種を香りごとに整理し、
「名前」と「香り」「使われ方」を結びつけて理解できるようにまとめています。
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①柑橘系ホップ
01.カスケード(Cascade)
・香りの特徴:グレープフルーツ、軽い柑橘、クラシック
・よく使われるスタイル:アメリカンペールエール、IPA
・一言ニュアンス:爽やかでバランスの良い定番ホップ
02.センテニアル(Centennial)
・香りの特徴:レモン、オレンジ、やや強めの柑橘
・よく使われるスタイル:IPA、アメリカンエール
・一言ニュアンス:カスケードより力強い柑橘
03.シトラ(Citra)
・香りの特徴:柑橘+トロピカル、ライム、マンゴー
・よく使われるスタイル:IPA、ヘイジーIPA
・一言ニュアンス:華やかでジューシーな代表格
04.アマリロ(Amarillo)
・香りの特徴:オレンジ、みかん、やや甘い柑橘
・よく使われるスタイル:IPA、ペールエール
・一言ニュアンス:やわらかく親しみやすい柑橘
05.サミット(Summit)
・香りの特徴:オレンジ、グレープフルーツ、やや個性的
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:クセもあるが印象に残る柑橘
06.コロンバス(Columbus)
・香りの特徴:柑橘+スパイシー、やや樹脂感
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:苦味と香りのバランス型
07.トマホーク(Tomahawk)
・香りの特徴:柑橘、ハーブ、樹脂
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:力強く男らしいホップ
08.ゼウス(Zeus)
・香りの特徴:柑橘、スパイシー
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:苦味寄りで骨格を作る
09.チャレンジャー(Challenger)
・香りの特徴:マイルドな柑橘、ハーブ
・よく使われるスタイル:イングリッシュエール
・一言ニュアンス:落ち着いた柑橘
10.ブリューイングゴールド(Brewers Gold)
・香りの特徴:柑橘、黒果実
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:ややクラシックで深みあり
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②トロピカル系ホップ
01.モザイク(Mosaic)
・香りの特徴:マンゴー、ベリー、複雑なトロピカル
・よく使われるスタイル:IPA、ヘイジーIPA
・一言ニュアンス:多層的で華やか
02.ギャラクシー(Galaxy)
・香りの特徴:パッションフルーツ、ピーチ
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:インパクトの強いトロピカル
03.エルドラド(El Dorado)
・香りの特徴:パイナップル、洋ナシ
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:甘くジューシー
04.ネルソンソーヴィン(Nelson Sauvin)
・香りの特徴:白ブドウ、トロピカル
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:ワインのような個性
05.アザッカ(Azacca)
・香りの特徴:マンゴー、柑橘
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:トロピカルと爽やかの中間
06.アイダホ7(Idaho 7)
・香りの特徴:トロピカル、柑橘、松
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:複雑で厚みのある香り
07.サブロ(Sabro)
・香りの特徴:ココナッツ、トロピカル
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:個性的でクリーミー
08.ヒュエルメロン(Huell Melon)
・香りの特徴:メロン、フルーティー
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:やさしく甘い
09.レモンドロップ(Lemondrop)
・香りの特徴:レモン、トロピカル
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:軽やかなフルーティー
10.エクアノット(Ekuanot)
・香りの特徴:メロン、柑橘、ハーブ
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:独特で印象に残る
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③松・樹脂系ホップ
01.シヌーク(Chinook)
・香りの特徴:松、スパイス、グレープフルーツ
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:クラシックIPAの代表格
02.シムコー(Simcoe)
・香りの特徴:松、ベリー、柑橘
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:重さと華やかさを両立
03.ナゲット(Nugget)
・香りの特徴:ハーブ、樹脂
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:苦味寄りで土台を支える
04.アポロ(Apollo)
・香りの特徴:樹脂、グレープフルーツ
・よく使われるスタイル:IPA
・一言ニュアンス:強い苦味と存在感
05.マグナム(Magnum)
・香りの特徴:穏やかなハーブ、樹脂
・よく使われるスタイル:ラガー、エール
・一言ニュアンス:クリーンで使いやすい
06.ブレワーズゴールド(Brewers Gold)
・香りの特徴:樹脂、フルーティー
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:古典的で深みあり
07.ターゲット(Target)
・香りの特徴:スパイシー、樹脂
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:苦味と香りのバランス型
08.パシフィックジェイド(Pacific Jade)
・香りの特徴:ハーブ、柑橘、樹脂
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:爽やかさと重さの中間
09.ヘラクレス(Herkules)
・香りの特徴:樹脂、スパイシー
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:苦味主体のホップ
10.ノーザンブリュワー(Northern Brewer)
・香りの特徴:ミント、樹脂
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:クールで独特
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④草・ハーブ系ホップ
01.ザーツ(Saaz)
・香りの特徴:草、ハーブ、上品
・よく使われるスタイル:ピルスナー
・一言ニュアンス:繊細でクラシック
02.ハラタウ(Hallertau)
・香りの特徴:ハーブ、フローラル
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:柔らかく上品
03.テトナング(Tettnang)
・香りの特徴:草、スパイス
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:軽やかで繊細
04.スパルト(Spalt)
・香りの特徴:ハーブ、土っぽさ
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:落ち着いた伝統系
05.ストリアンゴールディングス(Styrian Goldings)
・香りの特徴:ハーブ、フローラル
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:優しくまとまる
06.イーストケントゴールディングス(EKG)
・香りの特徴:紅茶、ハーブ
・よく使われるスタイル:イングリッシュエール
・一言ニュアンス:上品で英国らしい
07.ファグル(Fuggle)
・香りの特徴:土、ハーブ
・よく使われるスタイル:エール
・一言ニュアンス:素朴で落ち着く
08.パール(Perle)
・香りの特徴:ハーブ、ミント
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:爽やかでクリーン
09.リバティ(Liberty)
・香りの特徴:ハーブ、フローラル
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:ノーブル系の派生
10.ヘルスブルッカー(Hersbrucker)
・香りの特徴:草、花、やさしい香り
・よく使われるスタイル:ラガー
・一言ニュアンス:穏やかで主張しすぎない
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実際に飲んだときの感じ方
ビールの説明には、「使用ホップ」として具体的なホップ名が書かれていることがあります。
そのときに、この記事を見ながら、
「このホップは柑橘系だから爽やかそう」
「トロピカル系だから華やかそう」
といったイメージを持って飲むと、感じ方が変わってきます。
また、飲んだあとに「確かに柑橘っぽい」「少し草っぽい」など、
答え合わせをするように確認していくことで、
ホップの特徴が少しずつ自分の中で整理されていきます。
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まとめ
ホップには多くの品種があり、それぞれに香りの特徴があります。
この記事では、
柑橘・トロピカル・松・樹脂・草・ハーブといった分類で整理することで、
ホップの違いを一覧として把握できるようにしました。
ビールを飲むときに、
ホップ名を見ながら参照することで、
香りの理解が深まり、味わいの感じ方も変わってきます。
すべてを覚える必要はありません。
気になったホップから少しずつ知っていくことで、
ビールの楽しみ方が広がっていきます。
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関連リンク
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■ ビール・クラフトビールの基礎知識
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▶ ビールのホップを読み解く ― 香り・苦味・使い方・文化まで全体像を整理 ―【06-0】
