ビールの原料について調べていると、「モルト」という言葉と「麦芽」という言葉を見かけることがあります。
ビールの説明や醸造の話では「モルト」という言葉がよく使われますが、日本語では「麦芽」という言葉もあります。
・モルトと麦芽は何が違うのか
・同じものなのか、それとも別のものなのか
このように疑問に思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、
モルトと麦芽は基本的に同じものを指しています。
ただし、ビールの世界では「モルト」という言葉がよく使われるため、少し分かりにくく感じることがあります。
この記事では、モルトと麦芽の違いについて、言葉の意味や背景も含めて整理していきます。
① モルトと麦芽の違い
まず結論から整理すると、
モルト = 麦芽
です。
モルトとは、穀物を発芽させて乾燥させたもの、つまり「麦芽」のことを指します。
言葉の違いで整理すると次のようになります。
・モルト → 英語(malt)
・麦芽 → 日本語
つまり、基本的には同じものを指す言葉であり、日本語か英語かの違いです。
ビールの原料として使われるモルトは、ほとんどの場合、大麦を発芽させたものです。
そのため、ビールの世界では
モルト = 大麦麦芽
という意味で使われることが多くなっています。
② なぜ呼び方が違うのか
モルトと麦芽という2つの言葉がある理由は、単純に言えば言語の違いです。
モルトは英語で「malt」と書きます。
一方、麦芽は日本語の言葉です。
ビールの文化はヨーロッパを中心に発展してきました。
特にビール文化の中心となってきたのは
・ドイツ
・イギリス
といった国々です。
そのため、ビールに関する用語には英語やドイツ語の言葉が多く使われています。
日本語では「麦芽」と言いますが、ビールの世界では英語の用語がそのまま使われることも多く、「モルト」という言葉が広く使われるようになりました。
③ 「モルト」という言葉の語源
モルトという言葉は、英語の malt から来ています。
さらにさかのぼると、ドイツ語の Malz(マルツ) という言葉が語源とされています。
ドイツはビール文化の中心地の一つであり、ビール醸造の歴史も非常に長い国です。
そのため、ビールの世界では
・ドイツ語
・英語
の用語が多く使われています。
例えば、モルトの種類を表す言葉にも
・ピルスナーモルト
・ミュンヘンモルト
・カラメルモルト
といった英語やドイツ語由来の言葉が多く使われています。
このような背景から、ビールの世界では「麦芽」という日本語よりも「モルト」という言葉が使われることが多くなっています。
④ 日本ではいつから「モルト」と呼ばれているのか
日本にビールが伝わったのは、幕末から明治時代にかけてのことです。
当時の日本では、ビールに関する言葉は日本語に訳されて使われることが多く、「麦芽」という言葉が主に使われていました。
例えば、醸造に関する言葉には
・麦芽
・麦芽汁
・麦芽糖
といった表現が使われていました。
その後、ビール文化が広がり、醸造技術やビールの知識が海外から多く入ってくるようになると、英語の用語もそのまま使われることが増えていきます。
特にクラフトビール文化が広がってからは、
・モルト
・ホップ
・イースト
といった英語の言葉がそのまま使われることが一般的になりました。
そのため、現在では「麦芽」という言葉と「モルト」という言葉の両方が使われていますが、ビールの説明や醸造の話では「モルト」という言葉を見かけることが多くなっています。
⑤ ビールの世界で「モルト」と言う理由
ビールの世界で「モルト」という言葉がよく使われる理由はいくつかあります。
一つは、醸造の世界では英語の用語が多く使われていることです。
ビールのレシピや原料の説明では、世界共通の言葉として英語が使われることが多く、モルトという表現の方が自然な場合もあります。
また、モルトは世界中で生産・取引されている原料でもあります。
そのため、原料の名前やモルトの種類なども英語で表記されることが多く、結果としてビールの世界では「麦芽」よりも「モルト」という言葉が使われる場面が増えています。
⑥ 英語のビール用語・ドイツ語のビール用語
ビールの世界では、英語とドイツ語の用語が多く使われています。
これは、ビール文化の歴史と関係しています。
ビール醸造の長い歴史を持つ国の一つがドイツであり、古くからの醸造用語にはドイツ語が多く残っています。
一方で、現在のクラフトビール文化や国際的なビール文化では、英語が共通語として使われることが多くなっています。
そのため、ビールの世界では
歴史的な用語 → ドイツ語
現在の国際用語 → 英語
という形で、両方の言葉が使われています。
例えば、次のような言葉があります。
英語のビール用語
・Malt(モルト)
・Hop(ホップ)
・Yeast(イースト)
・Mash(マッシュ)
・Fermentation(発酵)
現在のクラフトビールの世界では、こうした英語の用語が広く使われています。
ドイツ語由来のビール用語
・Lager(ラガー)
・Pilsner(ピルスナー)
・Weizen(ヴァイツェン)
・Bock(ボック)
・Malz(モルトの語源)
ビールのスタイル名には、ドイツ語由来の言葉が多く残っています。
このように、ビールの世界では英語とドイツ語の両方の用語が使われていますが、現在のビール文化では英語の用語が共通語として使われることが多くなっています。
⑦ ビール好きとして思うこと
クラフトビールを飲み歩いていると、「モルト」という言葉や「麦芽」という言葉を耳にすることがあります。
その中で、「モルト=麦芽」ということがわかりました。
飲み歩く中で、知らない単語や用語に出会うと、「少し難しいな」と感じることもあるかもしれません。
でも、知らないからこそ「知る喜び」がある。
クラフトビールを飲みながら、そんなことを思うようになりました。
以前は「ラガー」という大きな枠の中で、限られた銘柄の中からビールを選んでいました。
そこからクラフトビールを飲むようになり、バッチごとに違いがあるビールを楽しめるようになりました。
そして、違いを知るからこそ、改めて「ラガー」というスタイルの良さも感じるようになった気がします。
クラフトビールを通じて、知らなかったことを知る。
そして、知ることでビールの楽しみ方が少し広がる。
そんな体験が、ビールの楽しさをより深くしてくれているように感じています。
⑧ まとめ
モルトと麦芽の違いは、基本的には言葉の違いです。
モルト = 麦芽
であり、同じものを指しています。
ビールの世界では英語の用語が多く使われるため、「麦芽」よりも「モルト」という言葉がよく使われます。
モルト=麦芽と理解しておくと、ビールやクラフトビールに対するハードルが少し下がるかもしれません。
次に読むとビール理解が深まる記事:
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